新しく21世紀を迎え、国際化がますます進行していく中で、私たち日本人が日本文化を端的に表現出来るのは「きもの」が最適と思われます。きものを着ただけで日本を表現することが出来るのです。「きものは日本のパスポート」といわれる所以です。
海外との交流の機会が多くなった今日、日本人であることの証を求められることも多くなっています。きものを着ることにより、そして「きもの」の本質を知ることにより日本を語ることが出来、世界とメッセージを交わすことになるのです。
このたび、「きもの学」においては、「きもの」の視点から日本の文化、生活、経済という様々な世界を見つめなおしていただきたい。「きもの」が日本の歴史と風土の中で磨かれてきた衣装としての変遷、伝統的な形態の中に表現される美の追求と、多様で清新な染織文様、色彩、技術の創造力、そしてそれらを生み出す職人や工芸家の生の姿など、日本文化の本質ともいえる多彩な価値の集積を、各方面の専門分野から幅広く学んでいただくことを目的としています。